Amazon Connectの問い合わせ追跡レコード(Contact Trace Record)のデータ項目の説明
事業開発部の酒匂です。
先日は問い合わせ追跡レコード(Contact Trace Record)とエージェントイベントストリーム(Agent Event Stream)のデータ連携手順についてブログ記事に書きましたので、今回は問い合わせ追跡レコードの各データ項目を1つ1つ見ていきたいと思います。
問い合わせ追跡レコード(Contact Trace Record)のデータ項目
問い合わせ追跡レコードは、従来のコールセンターシステムで言うところのCMS(=Call Managent System)に保存されているコールレポート情報のようなものです。
Endpoint
呼の宛先に該当するものを指します。コールセンターから見た場合は、顧客の電話番号(ANI)、顧客から見た場合は、コールセンターの電話番号(DNIS)を指します。
項目名 | 説明 |
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Type | Endpointのタイプですが、今のところは電話番号しかない無いです。値は、TELEPHONE_NUMBER です。 |
Address | 今のところは、EndpointのタイプがTELEPHONE_NUMBERのみなので、E.164形式の電話番号です。 |
AgentHierarchyGroup
エージェントが所属する階層グループに関する情報です。
項目名 | 説明 |
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ARN | グループのAmazon Resource Name (ARN) |
GroupName | グループの名称 |
AgentHierarchyGroups
エージェント階層グループそのものに関する情報です。
項目名 | 説明 |
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Level1 | エージェント階層レベル1のグループ |
Level2 | エージェント階層レベル2のグループ |
Level3 | エージェント階層レベル3のグループ |
Level4 | エージェント階層レベル4のグループ |
Level5 | エージェント階層レベル5のグループ |
QueueInfo
呼に紐づくキューの情報です。
項目名 | 説明 |
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ARN | キューのAmazon Resource Name (ARN) |
Name | キューの名称 |
EnqueueTimestamp | キューに呼が入った日時。yyyy-mm-ddThh:mm:ssZ形式 |
DequeueTimestamp | 呼がキューから出た日時。顧客(発信者)側が呼を切断したタイミング、または、呼がエージェントに着信したタイミング |
Duration | EnqueueTimestampとDequeueTimestampの差(秒) |
Durationを見れば待ち呼時間が分かりますが、放棄呼なのかどうかは判断つきません。ただ、Duration情報を蓄積していけば、時間帯ごとの予測待ち時間を算出することができます。
RoutingProfile
エージェントに紐づいているルーティングプロファイルに関する情報
項目名 | 説明 |
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ARN | ルーティングプロファイルのAmazon Resource Name (ARN) |
Name | ルーティングプロファイルの名称 |
RecordingInfo
呼の録音情報
項目名 | 説明 |
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Type | 録音のタイプ。現在は、AUDIOのみ。 |
GroupName | 録音の状態。AVAILABLE(有効)または、DELETED(削除)のどちらかの値 |
Location | 録音データのS3上での場所 |
DeletionReason | (録音データが削除された場合)削除理由 |
録音データに関する情報は、この後に出てくる呼の情報(ContactId)と紐づけて管理することで、コンタクト内容と録音情報を紐づけることができます。更にコンタクト情報に付与されるContactIdは転送呼が発生した場合は、別の項目でユニーバーサルなContactIdを保持しているので、以下のようなコンタクトを串刺しで管理できます。
(例) 1. 顧客からエージェントに着信があった 2. エージェントから別のエージェントグループへ転送した 3. 顧客と転送先のエージェントで通話し、完了
この1から3の呼情報を紐づけて管理することができます。
ユニーバーサルなContactIdについては下記の記事を参考にしてください。
Agent
呼に対応したエージェントに関する情報
項目名 | 説明 |
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ARN | エージェントのAmazon Resource Name (ARN) |
Username | エージェントのユーザー名 |
HierarchyGroups | エージェントが所属しているエージェント階層グループ |
RoutingProfile | エージェントに紐づいているルーティングプロファイル |
ConnectedToAgentTimestamp | 呼がエージェントに接続された時間。yyyy-mm-ddThh:mm:ssZ形式。 |
AgentInteractionDuration | 呼の通話時間(秒) |
CustomerHoldDuration | 呼の保留時間(秒) |
NumberOfHolds | 呼の保留回数 |
LongestHoldDuration | 呼において保留が複数回あった場合、一番長かった保留時間(秒) |
AfterContactWorkStartTimestamp | 呼が切断され、後処理モードが開始された日時。yyyy-mm-ddThh:mm:ssZ形式。 |
AfterContactWorkEndTimestamp | 後処理モードが終了した日時。yyyy-mm-ddThh:mm:ssZ形式。 |
AfterContactWorkDuration | AfterContactWorkStartTimestampとAfterContactWorkEndTimestampの差(秒) |
ContactTraceRecord
呼に関する情報です。
項目名 | 説明 |
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AWSContactTraceRecordFormatVersion | レコードのフォーマットバージョン |
AWSAccountId | 呼の所有者のAWSアカウントID。つまりはAmazon Connectインスタンスを立ち上げたAWSアカウントID |
InstanceARN | Amazon ConnectインスタンスのAmazon Resource Name (ARN) |
ContactId | 呼のID |
InitialContactId | 呼が(転送などで)他の呼と紐づいている場合、一番最初に発生した呼のID |
PreviousContactId | 呼が(転送などで)他の呼と紐づいている場合で、この呼が一番最初に発生している呼ではない場合、この呼からみた1つ前に発生した呼 |
NextContactId | 呼が(転送などで)他の呼と紐づいている場合で、この呼が一番最初または最後に発生している呼ではない場合、この呼からみた1つ後に発生した呼 |
Channel | 呼のチャネル。現在は、VOICEのみ。 |
InitiationMethod | 呼がどのように生成されたかどうか。現在は、INBOUND | OUTBOUND | TRANSFER | CALLBACK | APIのいずれかの値 |
InitiationTimestamp | 呼が生成された日時。yyyy-mm-ddThh:mm:ssZ形式。インバウンド呼の場合は、呼が着信した日時のこと。アウトバウンド呼またはコールバック呼の場合は、エージェントが発信した日時のこと。API呼の場合は、APIのリクエストを受付した日時のこと。 |
ConnectedToSystemTimestamp | 発信者側(customer endpoint)がAmazon Connectに接続した日時。インバウンド呼の場合は、InitiationTimestampとイコールになります。アウトバウンド呼、コールバック呼、API呼の場合は、発信先(customer endpoint)が応答した日時のこと。いずれもyyyy-mm-ddThh:mm:ssZ形式。 |
TransferCompletedTimestamp | Amazon Connect以外に転送される呼の場合、転送先に接続した日時。yyyy-mm-ddThh:mm:ssZ形式。 |
TransferredToEndpoint | Amazon Connect以外に転送される呼の場合、転送先のエンドポイント(転送先の電話番号) |
DisconnectTimestamp | 発信者側(customer endpoint)がAmazon Connectから切断した日時。yyyy-mm-ddThh:mm:ssZ形式。 |
CustomerEndpoint | システムエンドポイントに対してカスタマーエンドポイント。つまり発信者番号(ANI)のこと。 |
SystemEndpoint | システムエンドポイント。インバウンド呼の場合、発信者側が架電した電話番号のこと。つまり着信番号(DNIS)のこと。アウトバウンド呼の場合、発信者側の電話番号のこと。つまり発信者番号(ANI)のこと。 |
Queue | この呼がキューに入った場合、キューの情報 |
AgentConnectionAttempts | Amazon Connect側の処理でエージェントにこの呼を接続しようとした回数 |
Agent | この呼が正常にエージェントに接続されている場合、この呼に対応したエージェントの情報 |
Recording | 録音を有効にしている場合、録音に関する情報 |
Attributes | コンタクト属性情報。keyとvalue型で、AttributeName, AttributeValueというフィールドを持つデータ構造になっている。 |
LastUpdateTimestamp | 呼が最後に更新された日時。yyyy-mm-ddThh:mm:ssZ形式。 |
Channelというデータ項目があり、現在はVOICEということから、今後Amazon Connectで扱えるチャネルが音声、チャット(Lex)以外も増える可能性がありそうですね。